アトピー性皮膚炎でお悩みの方
アトピー性皮膚炎の改善には、以下のようなことが大事です。
1. 食事の注意:家での食事を中心にした食事内容の注意。
2. 起床、就寝、食事時間などの、生活時間を規則正しくすること。
自律神経の安定がはかられ、荒れた皮膚改善の手助けになります。
3. 内服薬:適切な漢方薬の服用、なるべくはじめは煎じ薬で治療をすること。
理由は効果判断がはやくなる。エキス剤では遅くなるので。
4. 外用薬:当薬局では、自家製剤漢方外用薬を併用します。
その他には、生理や仕事・家族内・学校・仕事のストレスへの対応も大事です。
また、以外と洗顔石鹸やシャンプー、洗剤へのきくばりで効果をより上げることもあります。
慢性した状態では治すためには1年は治療期間として考える必要がありますので、じっくり治療しましょう。
アトピーによる漢方内服薬の使い方
以下の漢方薬を左の症状に応じて、専門的な観察のうえ使い分けます。
顔面紅班 白虎加人参湯、黄連解毒湯
炎症 桔梗石膏
湿潤局面 越婢加朮湯
膿痂疹 排膿散及湯
毛嚢炎様皮疹 十味敗毒湯
掻痒 消風散
苔癬・痒疹 駆お血剤
乾燥・落屑 ヨクイニン・温清飲
水滞・浮腫 五苓散・猪苓湯
気虚 補中益気湯
体質改善 柴胡清肝散・荊芥連翹湯
冷え 当帰四逆加呉茱萸生姜湯
冷え+水滞 当帰芍薬散
自律神経失調 加味逍遥散・柴胡加竜骨牡蠣湯・四逆散
(小林裕美・石井正光:アレルギーの臨床2006)
アトピーにおける軟膏に使い方
抗炎症作用のある外用薬には、ステロイドや古典型軟膏(モクタール・イクタモール・グリパス)漢方薬の中黄膏、タイツ軟膏などがあります。
これらは、よく皮膚の炎症に反応して効果を上げることができます。
ステロイドはよく、表面上では一番早く効果があります。
各種のステロイド剤でうまくコントロールできればよいですが、ステロイド性皮膚炎・ステロイド性吹き出物ができるとやっかいです。
その点、古典型軟膏(モクタール・イクタモール・グリパス)はそのような副作用はないが、色・臭いの点で、使いづらいようです。
又、抗炎症効果はステロイドより、落ちます。
漢方薬の軟膏(中黄膏・タイツ軟膏)も、作用はやや弱いものの、きちんと使えば効果は出てきます。
古典型軟膏(モクタール・イクタモール・グリパス)や漢方軟膏の場合の使用方法
使用例:
顔面の場合(他の場所でも)はガーゼ2枚重ねて、パック状態にしていただくと良いと思います。
日中お出かけの方は、夜入浴後に塗 布して、朝患部を洗って軟膏を落してください。
軟膏が固まった場合は朝オリーブ油・化粧落としなどでふきとってください。
日中は 保湿剤(ワセリン・紫雲膏などを利用して)、夜また古典型軟膏や漢方の抗炎症の軟膏を塗布してください。
患部の炎症が治まり乾燥・落屑してきたら、抗炎症の軟膏はやめて、他の保湿軟膏でようすを見ます。
もちろん、 手持ちの保湿軟膏・クリームでも可です。
その後、紅くなり、炎症を起こしかけたら、再度抗炎症の軟膏を塗布します。
これを、治まるまで繰り返すことになります。 状態に応じて使い分けをしていただくと良い結果があります。
抗炎症の軟膏の後に利用する軟膏としては保湿・抗痒みの医療用では、
- レスタミンクリーム・ヒルロイドソフト混合軟膏
- ・・・ 痒み止めのレスタミンを含む保湿剤(推奨★)
- アズノール軟膏
- ・・・軽い抗炎症作用のある保湿剤
- ワセリン
- ・・・典型的保湿剤
- 蘇潤クリーム
- ・・・抗アレルギー作用のある紫蘇エキスとヒアルロン酸やビタンミンEを含む。 保湿と軽い抗炎症作用がある。
- 紫雲膏
- ・・皮膚再生作用の増強と保湿作用があります。炎症がない、乾燥状態に有効です
その他、市販品でも結構です。
ビーンスターク 薬用クリーム、ローション・ベマンナチュラルスキンクリームやローションなど利用しているかたもおります。
《質問》 どれくらい飲めば効果がでるのですか?
《お答え》 長期の内臓疾患については、1ヶ月程度、痛みや痒みなどの自覚症状のある病気や皮膚病は約2週間で、漢方薬の効果が現れます。
《質問》 漢方薬はすぐ効きますか?
《お答え》 漢方薬は、新薬系のお薬とは、効かせ方が違います、あくまで人間本来そなわっている自然治癒力を利用して、治す療法ですので、弱干の時間は必要です。